中華民国情報産業協会(CISA、劉瑞隆理事長)が主催した「日台ITソフトウェア企業交流商談会」の数日前、劉会長に取材しました。テーマは「日本と台湾で中国に市場をつくる方法」です。情報サービス産業協会(JISA)など日本側の団体とCISAは、数年前からこの議論をしてきました。ただ、日本側の動きが鈍く、なかなか具体化しませんでした。
劉会長は、具体策をもっていました。まず、日本のITベンダーのソフト開発案件を中国のITベンダーにオフショアとして渡します。その橋渡しを、中国側との交渉で手慣れている台湾ベンダーが行います。こうして、当面オフショアの旨味を中国側に出し、徐々に日本がつくるソフトの中味を知ってもらいます。そうすれば、日本のITベンダーが中国に進出したとき、オフショアを手がけた中国のITベンダーを中国ローカル企業への販売・システム構築部隊として使えるという戦略です。
劉会長が示すこの策には、現実味があります。実際に、中国ローカル企業に円滑に事業が拡大できるかは未知数ですが、期待してもいいと思います。(谷畑良胤)
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CISA、「日台ITソフトウェア企業交流商談会」を東京で開催メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.10.11」より