【台北発】台湾と日本のソフトウェアベンダーらが交流する「2011亜太ソフトウェア企業交流商談会」が、6月2日、台湾・台北市の台大病院国際会議中心で開かれた。参加したのは、日本からは情報サービス産業協会(JISA)、JASPA(全国ソフトウェア協同組合連合会)、メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(MIJS)、KT-NET、台湾からは中華民国情報産業協会(CISA)の加盟ベンダーを中心に約100人が参加した。

厦門経由で中国本土への展開を

 3回目となる今回の企業交流商談会は、アジア地域でのソフトウェア産業発展で台湾の重要性を認識するとともに、台日連携に向けた具体的な戦略を打ち出すことを目的としている。 
 

台湾経済部工業局の周能傳副局長

 冒頭、台湾政府を代表して経済部工業局の周能傳副局長が挨拶した。周副局長は、日本の団体代表者の名前を挙げながら、「台湾でこの商談会ができることを感謝している。今回の主催者は台湾のCISAで、政府がスポンサーとなってCISAをサポートした。世界は激しく変化している。ここのところ、2回の津波があった。一つは、金融危機の津波。次は日本での地震と考えられない複合的な災害。これは、日本だけのことでなく、台湾にも大きな影響があった。中国と台湾が両岸経済協力枠組協定(ECFA)を締結し、『ゴールデントライアングル』をさらに強化し、深めることができる環境が整った。その必要性を痛感した」と語った。 
 

中華民国情報産業協会(CISA)の劉瑞隆理事長

 続いて、CISAの劉瑞隆理事長が東日本大震災へのお見舞いを述べたあと、「アジア地域のソフト業界発展のために、力を合わせてよい将来を一緒につくろう。周副局長からもあった通り、『ゴールデントライアングル』をソフト業界でも実現したい」と、参加者に感謝の言葉を述べた。 
 

厦門市信息化局の劉冬林副局長

 台湾と隣接し、IT技術交流が盛んな中国大陸を代表して、厦門市の劉冬林市信息化局副局長が、「厦門は『文明のある街』という称号を中国政府からもらっている都市だ。厦門市のソフト産業は、2010年の売上高が159億元になるなど、高い成長を続けている。中国内の都市では上位にある。厦門市にとって、ソフト産業は重要産業の一つになっている。深センや上海と同じく、企業を設立しやすい制度ができている」と、厦門市経由の中国本土への展開を呼びかけた。 
 

「協力合意書」を締結したCISAと政治大学日文学科
 

台湾の大学で日本語教育を含めた“日本用”人材を育成

 台湾と中国の代表者の挨拶を終えたあと、CISAの劉理事長と政治大学日文学科の蘇文郎主任らが協力合意書を締結。両者は、日本向けの専門IT人材を育成するために、日本語教育や技術者育成を行う。 
 

JISAの杉山尋美副会長

 続けて、日本のソフト団体が挨拶。JISAの杉山尋美副会長は「3年前にJISAとCISAの間で覚書を結んだ。その後、年に一、二度の交流会をもち、少しずつ関係が深まってきた。日本のソフト産業は、現在、氷河期にある。2年前にJISAで構造改革指針を出したが、その一つがグローバル化だ。台湾との関係を重要視している」と語った。 
 

JASPAの中島洋会長

 JASPAの中島洋会長は、「日本の情報通信産業は、東京を中心とした地域に集中している。データセンターは、ラック数でいうと74%が首都圏にあり、夏場の電力供給不足に直面している。これらを日本や台湾、韓国、中国に分散して危険を少なくする必要性が出てきた。ソフトを開発する人材のリソースも、国際的に分散することが考えられる」と、「ゴールデントライアングル」の観点から各国の中間地点である沖縄県などに注目が集まっていると述べた。

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