北斗七星

北斗七星 2012年10月15日付 vol.1452

2012/10/18 15:38

週刊BCN 2012年10月15日vol.1452掲載

▼おしゃれな喫茶店でアップルパイを食べながら、十和田湖を眺めている。湖畔を群青色の山並みが取り囲んでいる。少し肌寒い。風が出てきて、湖面には三角波が立っている。波といえば、このところの東アジア情勢は目まぐるしい展開が続いている。これまで経済交流は順調に進展してきたが、政治の力が加わって、日中友好40周年は一転して日中断交の年になってしまった。

▼尖閣諸島の国有化を決めた9月11日を起点に、中国の空模様は嵐となった。政治に関わることはもちろんのこと、「日本」に関する経済活動、文化交流さらには日本の新聞を水際で差し押さえるといったかたちで、反日の意思表示がなされた。“9・11”は日中における新しい歴史の節目となった。

▼中国は11月8日、新しいチャイナ・ナインとともに政治の頭脳が生まれる。そこから発散する政治の色合いが何色であっても、日中はこの先も隣国であることに変わりはない。過去も現在も未来も、最も影響を及ぼしあう間柄だ。日本の豊かさが中国の豊かさにつながり、中国の豊かさが日本の豊かさにつながる関係を目指す。日中断交の40年先はお互いに喜び合える記念日にしたい。まずは中国に出かけて友人と食事をしようと思う。今、景色を眺めている十和田湖は、紅葉するのに10日ほどかかりそうだ。(直)
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