いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>ARMアーキテクチャ

2012/11/22 15:26

週刊BCN 2012年11月19日vol.1457掲載

【ARMアーキテクチャ(Advanced RISC Machines Architecture)】
小型で、消費電力にすぐれたプロセッサを製造するための設計情報(アーキテクチャ)。

 携帯電話やゲーム機器、ハードディスクドライブ、ルータなどに搭載されるプロセッサ(CPU)を製造するための設計情報のこと。英ARMが設計し、知的財産(IP)としてプロセッサメーカーに販売している。インテルのx86アーキテクチャの対抗馬として注目を集めている。

 RISC(Reduced Instruction Set Computer)CPUは、小型で消費電力にすぐれているために、あらゆる電子機器に活用されている。近年では、アップルのiPhoneやサムスン電子のGALAXYシリーズなど、スマートフォンやタブレット端末でもARMアーキテクチャをもとにしたCPUを搭載している。

 ARMは、ARMアーキテクチャ設計の専業会社で、CPUの製造・販売は行っていない。ARMアーキテクチャを知的財産(IP)としてライセンス販売し、ライセンスを購入した企業が、ARMアーキテクチャをカスタマイズしたり、機能を追加したりしてプロセッサを製造している。IPに関するサポートは、「ARM Connected Community」に参画する約1000社のパートナ一企業が行っている。

 これまでに約250億個のARMアーキテクチャベースのチップが製造され、現在では、1日あたり約1600万個のチップが出荷されている。調査会社のガートナーによると、全世界の携帯電話の約95%、ハードディスクドライブの約90%でARMの技術が採用されているという。

 ARMは、2011年10月、従来の32ビットに加えて、64ビットに対応したARMアーキテクチャの新バージョン「ARMv8」を発表した。12年10月には、これをベースにした「Cortex-A50プロセッサ・シリーズ」を発表している。これによって、現在のスマートフォンの処理性能を最大で3倍向上する。
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