北斗七星

北斗七星 2013年1月7日付 vol.1463

2013/01/10 15:38

週刊BCN 2013年01月07日vol.1463掲載

▼年末に自民党政権が再び誕生して、2013年、日本は新たなスタートを切った。自民党のキャッチコピーは、「日本を、取り戻す」。東日本大震災からの復興に力を尽くし、経済の成長や円滑な外交、豊かな暮らしを取り戻すという。

▼安倍晋三氏が掲げた強気な経済政策プランは「アベノミクス」と呼ばれ、株式市場に好感された。経済施策は、停滞感漂う今の日本には重要なことで、期待するところ大だが、大震災の復興支援策に関するトーンが弱いのが気になる。

▼この年末に宮城県の石巻市を訪れた。仙台市から石巻市に向かうバスに乗車し、車窓の風景を見て驚いた。復興策を打った形跡が、そこには何もなかった。建造物は壊れ、住居は傾き、道路も鉄道も損壊しているのに、ほとんどそのまま。避難したままなのか、人の姿はほとんど見えず、まるで廃墟だった。1年半以上が経っても、こんな状況なのかと愕然とした。

▼今度の3月11日で、東日本大震災から2年が経つ。忘れかけているあのできごとを思い浮かべて、再び復興に向けた歩みを速めなければならない。新しい政府にはそのことを最優先してほしいと願う。新年を迎えて過ぎ去った年を振り返り、東北の風景を思い起こして、そう思う。(鈎)
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