北斗七星

北斗七星 2013年2月11日付 vol.1468

2013/02/14 15:38

週刊BCN 2013年02月11日vol.1468掲載

▼中島みゆきの名曲『世情』が流れるなか、学校を占拠した“不良生徒”を警察が連行する。釈放された生徒二人に担任教師の金八先生は、愛のムチを振るう。「貴様たちは、俺の生徒だ。忘れんなよ」。かつてのテレビドラマの感動シーンだが、これすら「体罰を助長する」と、当時は批判の声が上がった。

▼学校教育法11条では、教育上必要があると認められれば、教師の生徒に対する「懲戒」を認めている。当時、この「懲戒権」の解釈は曖昧だった。金八先生の行為も、もし生徒の鼓膜が破れたりしたら、傷害事件になったことだろう。

▼校内暴力問題が吹き荒れていた2007年、文部科学省は「一時の感情に支配され、安易な懲戒のないよう」通達した。そして、「肉体的苦痛を与える懲戒」を「体罰」と定義している。大阪市立桜宮高校の部活顧問による行為は明らかに「体罰」であり、弁解の余地はない。

▼今回の問題について、「体罰ではない」とするFacebookの書き込みに、多くの「いいね!」がついた。体罰は罰を犯した人間に対する行為であり、罪のない生徒に対する行為は「暴力」と断じた。10年おきに表沙汰になる「体罰問題」。ここを区切りに手を挙げない学校教育の実現を望む。(吾)
  • 1

関連記事

「廃止」の結論、教育のIT化プロジェクト

米インテル 専任の幹部が語る「世界の教育IT事情」

「情報」教育に業界一体の支援を