北斗七星

北斗七星 2013年5月13日付 vol.1480

2013/05/16 15:38

週刊BCN 2013年05月13日vol.1480掲載

▼江戸時代、60年周期で数百万人もの群衆が熱狂的に集団参詣したといわれる伊勢神宮の「おかげ参り」。名物「伊勢うどん」は、大量の参詣者の胃袋を一気に満たそうという知恵が生んだ。参詣者を待たせず常に提供できるよう茹で続けるので、讃岐うどんのような強いこしはない。のびた状態のうどんに濃厚なたまり醤油をかけて食するが、疲労困ぱいで消化不良の人の胃にもするりと入るというので、喜ばれたようだ。

▼2013年は、20年に一度、御神体を遷す「式年遷宮」にあたる。ゴールデンウィークには、おかげ参りを彷彿とさせるほどの参詣者が訪れたに違いない。出現した「パワースポット」ブームも手伝っての賑わいだが、神聖な場所にそぐわない服装の人も散見された。

▼伊勢神宮外宮にある「三ツ石」は、「祓い清める場所」という誤った説が伝わって、手をかざす客が絶えない。実はこの石、河原の跡を示す目印にすぎないのだが……。「単なる石だが、そこに気を感じてくれたらそれでいい」。神宮の神職が黙認する理由を明かしてくれた。ITシステムは、OSが変更されるたびに入れ替えるという行事が途絶えつつある。遷宮のような永遠に続くしきたりを羨んでも仕方ないのかもしれない。(吾)
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