日本マイクロソフト(樋口泰行社長)は、「Windows XP」のサポート終了に関連して、OSと各ソリューションを組み合わせて販売することで、ユーザーのOS刷新を促進しようとしている。中堅・中小企業(SMB)/SOHO市場では、約4割のユーザーがいまだにXPを使用している状況にある。デバイス/ネットワーク/サポート、さらにクラウド環境の整備も含めたワンストップサービスとして提供することで、需要を喚起することを狙っている。
「Windows XP」のサポート終了は、2014年4月8日。サポート終了に伴い、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなるので、「XP」ユーザーにとってOSを刷新することは必須となる。日本マイクロソフトは、乗り換え需要を喚起するために、パートナー各社と協力してさまざまな施策を講じている。
例えば、今年2月19日には、NTT東日本(山村雅之社長)、デル(郡信一郎社長)との協業を発表。「Windows 8」を搭載したデルのPC/タブレットと、NTT東日本の光回線やサポートサービス「オフィスまるごとサポート」を組み合わせ、製品・サービスを一体化してワンストップで提供する。これは、IT利活用が遅れているSMB/SOHO市場に向けた取り組みで、「これまで時間をかけて提案した割に導入規模が小さく、非効率な側面があったSMB/SOHOに対する営業を推進しやすくする」(樋口社長)ための施策だ。調査会社のIDC Japanによると、従業員数10~499人の国内SMB市場では、いまだに37.4%が「XP」を利用しており、その台数は420万台。日本マイクロソフトの幹部によると、「現在、国内市場に残っている『XP』は、約1700万台」で、SMBはその残台数の約4分の1を占めている勘定になる。IT専任者が少なく、利活用も遅れていることから、日本マイクロソフトはワンストップで提供することでOS刷新を促進しようとしているのだ。日本マイクロソフトとNTT東日本は、同様の協業を他のデバイスメーカーにも広げていく意向を示している。
さらに、このワンストップサービスのなかには、クラウドサービス「Office 365」も含まれている。「Office 365」は、2月27日に最新バージョンの提供が開始されており、日本マイクロソフトとしては、OSの刷新とあわせて「Office」も売っていきたい考えだ。販売パートナーでは、大塚商会やリコージャパンが自社のソリューションと「Office 365」を組み合わせて同様のワンストップサービスを提供している。2月27日には、ソフトバンクBB(孫正義社長)が、同様のサービスを提供する契約を日本マイクロソフトと結んだと発表した。大塚商会の片倉一幸取締役専務執行役員は、「『XP』のサポート終了と同時に、『Office 2003』のサポートが終了することは、ユーザーにはあまり知られていない。既存の『Office 365』ユーザーからは、追加ライセンスの注文が多く、注目度は高い。そういう意味では、『Windows 7/8』と『Office 365』を組み合わせて販売することは有効だ」とみて、組み合わせることによって、OS需要の喚起を促すことができることを述べている。

(左から)日本マイクロソフトの樋口泰行社長、NTT東日本の山村雅之社長、デルの郡信一郎社長 また、日本マイクロソフトは、今年1月、クラウド型PC管理サービス「Windows Intune」の最新バージョンの提供を開始している。管理対象デバイスには「Windows 8」が加わり、課金システムをデバイス単位からユーザー単位に変更。1ユーザーが最大で5端末までを管理することができるようになった。ここで注目したいのが、「Windows Intune」の料金体系だ。管理デバイスのOSのアップグレード権限を含んだ「Windows Intune with Windows SA」については、6月28日までの契約で20%のディスカウントキャンペーンを実施している。これは、「『Windows Intune』の利用を拡大するだけでなく、OSの移行を進めてもらう狙いもある」(Windows本部の小黒信介シニアプロダクトマネージャー)。日本マイクロソフトは、ただOS刷新を啓発するだけでなく、各種ソリューションとの組み合わせで、効果的にユーザーにメリットをアピールしようとしているわけだ。(真鍋武)