北斗七星

北斗七星 2013年7月8日付 vol.1488

2013/07/11 15:38

週刊BCN 2013年07月08日vol.1488掲載

▼世の「左党」は、このほど佐賀県で施行された条例に驚いたことだろう。都道府県では初めての「日本酒での乾杯を推進する条例」だ。いまや乾杯はビールが主流。ビールは度数が低くて喉ごしがよく、一日の疲れを癒やしてくれる。下戸の人も「乾杯だけは」とビールを口にする。

▼日本酒の消費量は全盛期の3分の1まで減った。佐賀県には鹿島市を中心に28の蔵元がある。知る人は少ないが、土地面積あたりの蔵元数は全国有数。2年前、ロンドンで開催された世界最大級のワイン品評会で、富久千代酒造の「鍋島・大吟醸」が日本酒部門で最優秀賞に輝いた。

▼辛口の酒が好みの左党にすれば文句の一つも言いたくなるかもしれないが、芳醇で甘みの深い日本酒が世界で高い評価を得た。佐賀の日本酒銘柄を複数上げられる人は少なかろう。世界での評価を消費に結びつける行政の地道な動きを支持したい。

▼安倍晋三首相は、地方版の産業競争力会議を秋に発足する。中小企業のすぐれた産品や技術を引き立てる施策を国全体で練るためといわれている。ドイツには世界で圧倒的なシェアをもつ中小企業が1400社もある。中小企業の復興にITの利活用は無縁ではない。IT業界はこうした流れにうまく乗りたいものだ。(吾)
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