中国での日系ITベンダーの商材は、ERPや業種特化型の業務アプリケーションが大きな柱になっています。『週刊BCN』が中国に進出する日系SIer/ISVなどのITベンダー、約60社にアンケート調査を行ったところ、回答のあった40社の半分近くがERPや業務アプリを挙げ、SIerやISVにとっての花形商材であることが裏づけられました。
ただ、残念なことに、世界でメジャーなERPといえば、やはりSAPやオラクル。中国では、これに地場有力ERPベンダーの用友や金蝶が加わるでしょう。
日本のSIerは、基幹業務システムの構築技術は世界でもトップレベルになのに、パッケージ化(=商品化)、グローバル化で遅れをとってしまい、本当の意味で、世界市場での「花形」と呼べる商材が不足気味であることは否めません。
今秋から、ついにNTTドコモも扱うことになったiPhoneは、スマートフォンという商品をいち早く開発し、電光石火のごとくグローバル市場へと展開しました。出遅れた国内メーカーの多くはNTTドコモにすら冷遇される始末です。
ITは変化が早く、この先、まだ挽回のチャンスはきっとあるはずです。世界のどこに行っても「日本のIT商材はすごい!」と称えられるような、本当の意味の花形商材を一日も早く手に入れたいものです。(安藤章司)
【中国特集記事はこちら】
<第2部 中国+ASEAN大特集>陽はアジアに昇る 中国・ASEANに挑む日本のITベンダーメールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.9.12」より