北斗七星

北斗七星 2014年8月25日付 vol.1543

2014/08/28 15:38

週刊BCN 2014年08月25日vol.1543掲載

▼いわずと知れたオブジェクト指向スクリプト言語「Ruby」。“発祥地”の島根県はRubyを使った企業のソフトウェア開発に補助金を出した。えてして、補助制度が終わるとシステム投資熱は一気に冷めるものだが、島根の場合は違った。下請け一辺倒の受託ソフト会社に対し、アジャイルプロセスの浸透に貢献した。

▼安倍政権の大臣が、演台に立つときの常套句がある。茂木敏充経産相は、OBC和田成史社長の叙勲祝賀会で、IT業界の重鎮が集まるなか、「日本の『稼ぐ力』の復活にITが力を発揮する」と、祝いの言葉にIT政策の要点を添えた。

▼日本の経常収支の黒字額は、2013年時点で1985年以降では過去最低。資源が乏しい日本が稼げなくなるのは一大事というわけだ。その力を生み出すには「ITが重要」と説く大臣は茂木氏を含め少数で、前民主党政権では皆無だった。

▼「生産性向上設備投資促進税制」という長たらしい名前の国の補助がある。先端性の伴うソフト開発も対象だ。このたぐいは、単なるばらまきで終わるケースが多い。国に頼らず、島根のようなIT補助制度が自治体ベースで展開できることを願う。(吾)
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