北斗七星

北斗七星 2014年11月10日付 vol.1554

2014/11/13 15:38

週刊BCN 2014年11月10日vol.1554掲載

▼道を歩いていたら、周囲50か所のマンホールのフタが、火柱とともに突然一気に吹き飛んだ。想像するだに恐ろしいが、11月2日、東京の品川区で起きた事故だ。ケガ人がほとんどいなかったのが不幸中の幸いだった。

▼この事故は、バイクを修理中の少年が下水道にガソリンを流したという過失が原因だったようだが、実は、下水道管のマンホールのフタは、もともと維持管理の面で大きな課題を抱えている。自動車などの荷重にさらされながら、下水道管内で発生する硫化水素によって腐食が進むなど、設置環境は非常に過酷。そのため、耐用年数は車道で15年、歩道で30年と定められ、耐用年数を超えたフタから順次交換されている。だが、実態は、全国1400万個のフタのうち、300万個が設置から30年以上経っているそうだ。

▼こうした課題を踏まえて、センサ内蔵のマンホールのフタを導入して計画的な維持管理を支援するシステムがすでに実用化されている。まさにIoTの一種だが、開発をリードしたのは、現場の課題と長年向き合ってきたマンホールフタのメーカーだった。ITの新しいビジネスの種は、非ITの業務の現場にある。(霞)
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