▼MRJ（三菱リージョナルジェット）やHonda Jet（ホンダジェット）は、長らく中断していた日本の民生用の航空機産業を復活に導く商材として期待を集めている。米ボーイングや欧州エアバスの二大メーカーの間隙を縫うようなニッチ商材ではあるが、その領域では世界で存在感を示すことができる。

▼これをパブリッククラウドに当てはめてみると、アマゾンとマイクロソフトが二大ベンダーで、IBMが落伍寸前のところをSoftLayerの買収で、なんとかトップ集団に食らついているところか。残念ながら日系ベンダーは出遅れて「もはやパブリッククラウドでトップ集団に食い込むのは難しい」（大手ベンダー幹部）との声も伝わってくる。だが、三菱やホンダのように、ビッグプレーヤーの手薄なところを突いて、活路を見出す可能性は決してゼロではない。

▼MRJとHondaJetが世界の空を飛ぶ姿は、日本の航空機産業の象徴的なものになる。クラウドの領域でも、世界で存在感を放つ日本発の商品やサービスがほしい。アマゾンやマイクロソフトに正面から挑むのではなくても、こうした商品をつくるのは不可能ではないはずだ。（寶）