ひとやモノをインターネットでつなげて、社会をより便利に、豊かなものにしようという考え方が「IoT/IoE」です。しかしこの言葉、具体性に欠けていて、いまひとつピンと来ません。

 そこで、ITベンダー幹部の方々から「これがIoT/IoEだ!」と教えていただいた事例のなかから、印象に残ったものを三つ挙げてみました。第一に、工場/農場のセンサによる温度、湿度などの管理。第二に、顔認識センサを使った大規模商店街の顧客分析。そして第三が、遊園地の入場券にBLEビーコン(無線標識)を仕込んでおいて、園内に設置したセンサで迷子を探すシステムです。

 共通項は何らかのセンサを活用する点で、第一の工場・農場系は、おそらくこれまでもよくみられたものでしょう。第二の顔認識は、昨今のスマートフォン内蔵カメラの顔認識機能の精度が劇的に向上していることからすると、十分に実用に耐えるものだと思います。

 そして、個人的には第三の遊園地や水族館での迷子発見システムがすとんと胸に落ちました。BLE(省電力Bluetooth)ビーコンは、近年小型化・低価格化が急速に進んでいますので、早々に実現しそうです。

 「IoT/IoE」がピンと来ないのは、まだ庶民の生活の身近なところに来ていないからのような気がします。市場の立ち上げ期だからこそ、言葉や概念だけでななく、生活や仕事に密着した具体的な提案が、商談を後押しすることになるのではないでしょうか。(安藤章司)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.1.22」より