NTTデータは、昨年12月まで、中国吉林市で地場のIT企業と協力して、市内の信号制御シミュレーションの実証実験を行いました。本格的なITS(高度道路交通システム)関連システムの受注を狙った取り組みの一環ですが、現地に張りついたNTTデータの担当者は、「とにかく寒かった」と、ひと言。
中国の東北三省のなかでも比較的北部にある吉林市は、大陸性気候で冬の寒さが厳しいことで有名です。実証実験でも-20°C近くまで下がる日があり、「フィールドワークの時間をいかに短くするのかに苦心した」(NTTデータ担当者)そうです。
日本海側のようなドカ雪は降らないのですが、さすがに-10°Cを下回ると路面が凍り、路線バスの運行も平均で3分ほど遅れてしまうそうです。今回のプロジェクトは、大陸特有の気候のなかで、かつ交通量の増大で渋滞が激しさを増すなかで、信号をどのように制御したら、渋滞を解消し、交通の流れを最も効率よくコントロールできるのか、ビッグデータ的アプローチで解を求めています。
上海・北京など、著しく近代化が進む中国の大都市ですが、一方で地方都市の近代化はまだこれからが本番。NTTデータの吉林市での活動は、こうした地方都市でのビジネスの可能性を示唆するものといえそうです。(安藤章司)
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NTTデータ、中国・吉林市での「渋滞予測・信号制御シミュレーション」実証実験で渋滞緩和効果を確認メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.1.29」より