3兆円規模といわれる社会保障・税番号(マイナンバー)制度の経済波及効果ですが、現時点ではほとんど「水面下」に沈んだまま。みえてきた需要は文字通り「氷山の一角」です。

 2016年1月から利用が始まるマイナンバーですが、国や自治体向けのマイナンバー本体のシステム構築市場は、ざっと3000億円。同ビジネスに参画しているNECでは、そのうちの2割あまりを占めるおよそ700億円の受注を見込んでいるとのこと。

 今後、マイナンバーを商用目的で民間利用したり、医療・介護領域で活用できるようになれば、その市場規模は一気に拡大すると期待が高まっています。NECでは「企業向けマイナンバーソリューション」を業界に先駆けて投入する気合いの入れようです。

 とはいえ、当面、NECが民間企業におけるマイナンバー活用関連で見込む売り上げは150億円ほど。これは商用目的や医療・介護での道がまだみえておらず、「事業計画には織り込めない」(NEC)ためです。

 先の経済波及効果3兆円規模から比較すれば、正直“ゼロがひとつ足りない”のは、現時点でのマイナンバーの用途が社会保障・税番号に限定されているからに他なりません。規制緩和に向けては、「一筋縄ではいかない」(業界関係者)とみられており、マイナンバー市場の“大半”は水面下に沈んだままといえそうです。(安藤章司)

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NEC、マイナンバー制度対応を支援する「企業向けマイナンバーソリューション」を体系化

メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.3.12」より