17日夜、大阪都構想の賛否を問う大阪市の住民投票の結果が出ました。結果は皆さんご存じのとおり、僅差で否決という結果になりましたが、投票の内訳を巡っては、さまざまなメディアから興味深い報道がありました。

 例えば、地域差です。産経新聞によれば、大規模なオフィス街を抱える北部で賛成票が多かったのに対し、町工場をはじめとする中小企業が多い南部や沿岸部では、反対票が上回りました。北部は、住民の所得も南部や沿岸部より高い傾向にあります。

 また、世代別の賛否割合も注目に値します。朝日新聞の出口調査の結果によると、反対が過半数を占めたのは70代以上だけで、その他の世代はすべて賛成が反対を上回ったとのこと。若年層の投票率が低かったという可能性は高いでしょうし、出口調査の精度がどの程度かという問題は考慮する必要があるでしょう。「“老害”に改革を邪魔された」と一口にいってしまうのは乱暴過ぎますが、これを「少子高齢化が進んだ社会における民主主義の象徴」と捉える人がいても不思議ではないように思います。

 一つ残念なのは、大阪都が実現すれば、当然、情報システムの刷新も必要になるわけで、ITを活用した行政サービス向上のためのさまざまなチャレンジの機会があったはずだということ。ITベンダーにとっては、大きなビジネスと社会貢献のチャンスを失ったといえるかもしれません。(本多和幸)

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メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.5.19」より