▼本号で自動車向け組み込みソフトビジネスの特集（12～15面）を組んだが、その企画会議で議論が大きく“脱線”してしまった。校閲部門のチーフが「組み込みソフトが入っているECU（電子制御ユニット）の役割なんて、せいぜい燃費改善の微調整くらいのものでしょ？」と発言したのに間髪入れず、今度は編集部のトップが「クルマは運転する喜びこそ至高！」と言い出す始末。

▼新入社員に話を振ると、「運転免許もってません。取るならAT（オートマ）でしょう」と、50代以降と20代との“温度差”が垣間見られて興味深い。ハイブリッド車は構造的にAT方式で、ECUによるギアやモーターの制御まで加わる。衝突被害軽減や誤発進防止などアクセルやブレーキもECUの制御対象である。

▼これをITにたとえるなら、インテルXeonを搭載して消費電力500ワットの「自作ワークステーション」をこよなく愛する中年の私自身と、「iPhoneでいいや」という若者との間の“温度差”だろうか。趣味嗜好のワークステーションやマニュアル車もいいが、たまには時代を先取りして、世界中の若者の鼻を明かしてやりたいものだ。（寶）