中国への出張で困ることを挙げるとすれば、やはり、普段、使い慣れているGoogleをはじめとした“海外”のネットサービスがほとんど使えないことではないでしょうか。
実は、こうした不便さは中国本土とのビジネス的なつながりが非常に深い香港・台湾のビジネスマンも感じているようで、彼らは彼らなりに“海外”サービスが使える不思議なSIMや、高速で安定したVPNサービスを利用していたりします。しかも、それを大手の通信会社が用意しているというから驚きです。
当の中国の会社も、IT機器や家電といったメーカーを中心に海外市場へ積極的に進出していることから、海外市場向けの広報・宣伝部門だけは、香港に置いているというケースが散見されるほど。中国には「上に政策あれば、下に対策あり」ということわざがありますが、ちゃんと対策はあるようです。
日本では、香港や台湾ほど中国市場を身近に感じていないからなのか、あるいはお行儀がよすぎるのか、なかなか中国への出張者向けのサービスが充実しません。「郷に入れば郷に従え」なのか、「政策と対策」なのか、判断がわかれるところといえそうです。(安藤章司)
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コラム「駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国」の記事一覧メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.8.27」より