先日、インドネシア事情に詳しいコンサルタントの松井和久さんが、現地のビジネス動向について説明してくれるセミナーを取材しました。インドネシアの首都・ジャカルタといえば渋滞。混んでなければ10分で着く距離を、1時間ほどかかる大渋滞が慢性化しており、大気汚染はもちろん、経済活動や生産性も落とすとして重大な社会問題となっています。
ただ、問題があるからこそ、そこに新たなビジネスチャンスも生まれます。松井さんは、「GO-JEK」というスマートフォン用の配車アプリを紹介してくれました。ジャカルタでは、バイクタクシーが庶民の日常の足として活躍しているそうですが、GO-JEKはいわばバイク版のUberで、配車依頼から支払いまでをアプリ上で完結できるというものです。
これだけならUberの真似止まりですが、GO-JEKはバイクの運転手に、買い物や荷物の運搬まで依頼できるのだとか。日本では免許や安全性の問題で実現し得ないサービスだと思いますが、日中は渋滞で身動きがとれないジャカルタの中心部で、動きのすばやいバイクにちょっとした用事を頼めるのは確かに便利そう。まさに必要は発明の母。生活や仕事のなかで、不便や問題を感じる瞬間は多いですが、その数だけビジネスチャンスが転がっているのかもしれません。(日高彰)
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IIJ インドネシアセミナー開催 「短期は忍耐」だが、将来有望な市場 メールマガジン「Daily BCN Bizline 2015.10.28」より