▼オートバイ用品の販売や関連雑誌の出版を手がける会社に、IT活用事例の取材機会を得た。記者自身、30年前に2ストロークエンジンのホンダ「MTX200」や「NS250」のユーザーだったこともあり、昭和の“過去バナ”で大いに盛り上がった。

▼とはいえ、環境規制や交通安全意識の向上で、二輪車を取り巻くビジネス状況は激変。環境や安全より“走り”を重視した2ストの時代も終わった。追い打ちをかけるようにライダーの高齢化も顕著に進んで“走り”に体力がついていかない。

▼限られた市場を前に「市場動向の分析」などというマクロ的なアプローチはもはや困難。「みんなが買っているのはこちら」といった俯瞰的な“売れ筋ランキング”から一段と踏み込んで、ライダー個々人の趣味嗜好、次の消費を誘導する「個人の意識」を深く掘り下げるIT活用こそ中高年ユーザーの心に響くという。

▼個人的には「懐かしの2スト・バイク、青春をもう一度」などといわれたら気持ちが揺らぐが、最先端のITを駆使しても、さすがに排ガスや騒音の規制が強化され、体力も衰えては叶わぬ夢ではある。（寶）