▼年明けは芸能ニュースが騒がしかった。なかでもSMAPの解散騒動は、単なる芸能ニュースの枠を越えて波紋を広げた。

▼各スポーツ紙で一報が出た後、彼らは（正確には某芸能事務所を離れると報じられた4人が）生放送で謝罪した。オーナー企業で新規ビジネスの担い手として大成功し、社内の大エースとして君臨したものの、派閥争いに巻き込まれて独立を画策。失敗して、オーナーに詫びを入れ、屈辱的な待遇を受け入れることを条件に元の鞘にといった構図か。

▼SMAPの平均年齢は40歳を超えている。ビジネスの世界でも、脂がのっているとみられる年齢だ。アイドルとしての彼らに関心がなくても、この顛末に思うところがあるビジネスマンは少なくなかったのではないか。SNS上には、同族経営の企業が放ちがちな腐臭に対する嫌悪感を示す声や、公器であるはずのテレビ局が、業界の権力者の意向に沿ったコンテンツしかつくれないことへの批判も目立つ。

▼あの謝罪生放送で大団円だと思うほど、視聴者はバカじゃない。メディアに携わる身としては、その種の浅はかさを常に自分のなかで戒めなければとも思わされた。（霞）