▼猛威を振るうインフルエンザ。本紙でも編集部員が次々と休んだり、インタビュイーが罹患して取材が急遽延期になったりと、何かと大変な時期である。一方、新しい技術の伝播にはインフルエンサーが不可欠だ。ベンダーは新しく開発した技術を若手技術者や学生に開放。ハッカソンや技術コンテストを盛んに開催している。

▼あるハッカソンを取材したときのこと。新しい技術に貪欲に食らいつく若手技術者の姿を目の当たりにして「若いっていいな」と、年寄りじみたことを感じてしまった。

▼彼らが社内に戻り「この技術を使えば、こんなことができる、あんなことができる」と熱っぽく語る。そして、その意欲溢れる姿をみた上司がついほだされて「じゃあ、おまえやってみろ」となったらしめたもの。技術は着実に広がっていく。

▼ただ、似たような技術すべてに若者が飛びつくわけではない。技術的にすぐれていたとしても、毒にも薬にもならない無難なものでは魅力に欠ける。インフルエンザにしろ、インフルエンサーにしろ、多少、毒気が強いほうがむしろ周囲への感染力は強いのかもしれない。（寶）