神奈川県で、横浜から横須賀にかけてのエリアは通信系のIT企業が多いことで知られます。中心となるのは三浦半島の先のほうにある横須賀リサーチパーク(YPR)で、大手通信事業者や電機メーカーが研究開発拠点を設けています。そして横浜には、それらと取引のある多くのIT企業が本社を構えています。しかし、携帯電話市場では国内メーカーの不振が続いており、通信系IT企業のビジネス環境は厳しさを増しています。
新横浜にあるキャセイ・トライテックも、大手電機メーカーからの携帯電話用ソフトウェアの開発受託を行っていた企業の一社ですが、市場環境の変化から、近年はM2M/IoT向けのソリューションや、自社企画製品に取り組んでいます。今月、高齢者介護向けの端末の開発や、介護事業者と組んだサービス提供を発表しており、「受託から提案への転換」のモデルケースとなれるかが注目されます。
また、横浜市内では今、通信業界の“新たな巨人”が拠点の展開を準備中。アップルです。海岸線からは少し離れますが、港北区の綱島に大型の開発センターを建設しており、来年にも稼働を開始するとみられています。中身は変わりながらも、これからも横浜・横須賀が「通信の街」であることは変わらないのでしょう。(日高 彰)
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キャセイ・トライテック ガラケー受託から自社製品提案へ 在宅介護端末を開発 メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.4.27」より