中国に進出している日系IT企業は、巨大なローカル市場の開拓に興味を示しているものの、実際には現地の日系企業の開拓に終始していて、精力的にローカルビジネスを推進している企業は多くありません。プロダクトがない、販路がない、人脈がないなど、その理由は様々ですが、もっとも代表的なものをひとつ挙げるとしたら、「回収リスク」を選ぶ経営者が多いことでしょう。ローカル案件では、システム納入後にきちんと入金がされない事態が頻発するのです。
ウイングアーク1stの中国法人は、このほど中国政府や金融機関向けの案件を強みとする現地の有力企業をパートナーとして開拓し、帳票作成・運用ツール「SVF」のローカルビジネスを本格化させました。協業にあたっては、回収リスクを低減する策も講じています。同社は「SVF」に先駆けて、中国でBIツール「Dr.Sum EA」をローカル企業に販売してきた実績があり、地場企業の顧客比率が大きい数少ない日系IT企業のひとつです。先駆者の取り組みから学べることは多いように思います。(上海支局 真鍋武)
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ウイングアーク上海 「SVF」のローカルビジネスを本格化 有力パートナー開拓で大規模販売メールマガジン「Daily BCN Bizline 2016.7.15」より