▼週刊BCNに、bitFlyerの加納裕三代表取締役が登場したのは、昨年3月。取材は2月だった。B2B向けのブロックチェーン技術を開発・提供するとともに、国内最大級の仮想通貨取引所も運営する同社のウェブサイトをのぞいてみた。1BTCの購入価格は14万円程度だったと記憶している。

▼1月9日現在、ほぼ1年ぶりに同社のウェブサイトをみると、1BTCの購入価格は約197万円。1年前の時点で、ビットコインを買うには機を逸したと思っていた自分の見る目のなさにはうんざりする。ただし、ここまで価格が上がるまでに、ビットコインはボラティリティの高さをみせつけ、レートは乱高下を繰り返した。投機的な性質が強まるばかりの状況を揶揄し、「ビットコインは終わり」という声も。

▼対照的にビットコインとともに生まれたブロックチェーンをエンタープライズIT市場で活用していこうという動きは、根を広げつつある。ビットコインを取り巻く現状を悲観して、ブロックチェーンの可能性すら否定する言説を目にすることも少なくないが、ちょっと冷静になったほうがいい。新しい基盤技術の可能性を潰すには、まだ早い。（霹）