システム運用は、昼夜問わず人が介在しなければならず、負担が大きい職種だといわれています。
日立製作所のシステム運用管理「JP1」では、AIを活用した「AIOps(エーアイオプス)」によって運用の省人化を進めると共に、将来的に運用の完全自動化を目指す「NoOps(ノーオプス)」へと発展させたいとしています。国内では就労人口が減少しており、時代の要請でもあります。
課題は、AIに学習させるための障害データをどう集めるかという点。社会インフラを支えるような大型システム、大企業の基幹業務システムのクラスになると、幸いにもそうそう大規模な障害が発生するものではありません。障害が起こらないこと自体は良いことなのですが、一方で学習用のデータがなかなか集まらない「矛盾」も同時に抱えてしまいます。
個社ごとにデータを集める方法では限界があり、会社組織の枠を超えた業界横断的なデータ収集の枠組みによって、大規模かつ効率的に学習用データを集める仕組みが必要との見方も出ているようです。(安藤章司)