北斗七星

北斗七星 2020年8月10・17日付 vol.1837

2020/08/21 09:00

週刊BCN 2020年08月10日vol.1837掲載



▼「小さな恋のメロディ」の脚本や「ミッドナイト・エクスプレス」の監督で知られるアラン・パーカーが亡くなった。近年は闘病生活を送っていたという。未曾有のパンデミックで世界全体が騒がしい中にあっても、偉大な才能が失われることを惜しむ声の大きさは変わらない。

▼米国人青年がトルコを旅行中に魔が差して麻薬の密輸に手を染めたことで投獄され、言葉も満足に通じない中で辛い刑務所生活を送り、やがては長期刑を宣告される。ミッドナイト・エクスプレスが描いたのはいまも“現役”のリスクだ。自国と緊張関係にある国でトラブルを起こせば、そのリスクはなお高くなる。新型コロナは現在のところ世界の分断を加速させつつあるように見えるが、これがそのまま進んでしまうとすれば悲しく恐ろしいことだ。

▼過酷な環境に置かれるうちに、徐々に狂気をあらわにする主人公の姿も印象的だ。それほど過酷ではなくても、テレワークなどで突然大きく業務環境が変化すると、中には十分に適応しきれず、自分でも気が付かないうちに正常さを少しずつ失っていくケースもあるだろう。だいぶ根付いた感のあるストレスチェック制度もニューノーマルに合わせて進化させる必要がありそうだ。(霹)
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