▼今年話題となったテクノロジーの中の一つが、「ミッドジャーニー」や「ステーブル・ディフュージョン」といった「絵を描くＡＩ」だろう。「茶色の猫、窓際、写実的」といったようにキーワードを入力すると、その情景が見事な絵画のように描かれる。人の画家のような創造性がないと評する向きもあるが、正直なところ、絵の素人から見ると人が描いたのかＡＩが描いたのか判別できない作品も多い。

▼一部のビジネスはこのようなテクノロジーの登場で様変わりする可能性がある。プレゼンテーション用の資料を作成するときに、スライドの内容に合う画像を探して素材提供サイトを検索する人は少なくないと思うが、今後は目的の画像が存在しなかったとしても、ＡＩに描かせてしまえばいい。画像の販売サービスにとっては脅威であり、チャンスでもあるだろう。

▼筆者にとってもＡＩの脅威は人ごとではない。今は文字を入力すると画像が生成されるが、画像や動画を入力すると、写っているものを記事にしてくれるサービスが登場するのも時間の問題ではないか。そのときに記者の仕事を失わないよう、創造性を磨いておかねばならない。（螺）