▼ものぐさな性分のため、台所の流し台に洗い物をためてしまうことが多い。家族と話し合い、いよいよ食器洗い機を導入することに決めた。とはいえ、食事の片付け作業から本当に解放されるほどの十分な洗浄能力があるのかには若干の不安が残る。そこで、高価な機種をいきなり購入するのではなく、家電メーカーが提供しているサブスクリプション型の利用サービスに申し込むことにした。

▼現在、食器洗い機に関してこのサービスは非常に人気が高く、製品が届くまで1カ月以上かかる見込みと告げられた。最近は冷蔵庫や洗濯機といった他の大型家電や、ソファやテーブルなどの家具をサブスクで利用する人も増えていると聞く。サブスクがすべての耐久消費財に広がるのは時間の問題だろう。複数の製品を組み合わせた提案がしやすいことから、メーカー側もサブスク事業の拡大に前のめりだ。

▼ただ、製品を一定期間以上使用するのであれば、当然のことながらサブスクよりも買い切りのほうがコストは安い。あらゆる商材でサブスクが前提となったら、私たちが購入できる製品やサービスの総量は減少する。それを上回る価値がサブスクにあるのか、立ち止まって考える必要がある。（螺）