▼「無関心でいられても、無関係ではいられないのです」。人通りの多いターミナル駅前のロータリーで、マイクを手にした若い男性が訴えていた。20日投開票の参院選。選挙期間中、駅前で演説する候補者の声はよく耳にしたが、訴えていたのは候補者ではなかった。その男性は、道行く人に「とにかく投票に行こう」と呼び掛けていた。

▼事実上の政権選択選挙とされた今回の参院選。各党の主義主張はそれぞれだが、投票に行こうという発信がリアルでもSNSでも多かった印象がある。紙面発行時には選挙結果は判明しているが、それ以上に投票率が気になるところだ。

▼物価高、米国との関税交渉、エネルギー政策、社会保障の在り方。国内外に課題は山積し、私たちの生活に短期的、長期的に大きく影響してくる問題ばかりだ。1回の選挙で全てが大きく動くとは考えにくいが、結果は間違いなく国民一人一人に関係してくる。

▼民意が示された後、選挙で示された公約は実現するのか。政治の動きや政策は、企業とビジネスにも影響してくる。無関係ではいられない私たちは、関心を持って見つめ続ける必要がある。（緑）