今日のひとことWeb版
耐量子暗号が新たな商機に
2025/10/24 10:00

従来のコンピューターでは計算不可能な問題を瞬時に解くとされ、期待の高まる量子コンピューターは世界中で開発が加速しています。一方、その実用化により従来の暗号技術が破られる危険性も指摘されており、各企業や組織が「PQC(Post Quantum Cryptography:耐量子計算機暗号)」を導入することが根本的な対策になります。
進化した量子コンピューターには既存暗号を破る可能性がある、ということは以前から指摘されていました。ただ、数年前には「20年ぐらいかかる」などと言われていた量子コンピューターの実用化は、最近は「5~7年後くらいだろう」と予測が早まっているというのがグローバルでの認識のようです。開発が想定を超えて進んでいることが伺え、暗号対応も急ぐ必要が生じてきました。
国内では、2024年に金融庁が金融機関による検討会の報告書を公表するなど、脅威に備えるよう呼びかけが始まりました。PQC対応は既存の暗号の棚卸しや計画策定をはじめとした多岐にわたるプロセスが必要になり、また金融業界に限らず他業界でもニーズは今後広まるとみられています。支援やソリューションの提供で移行を支援するベンダーにとっては、新たなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。(下澤 悠)
【記事はこちら】
金融での導入前倒しが進む 耐量子計算機暗号
- 1
