今日は何の日

<今日は何の日>11月18日「カスピ海ヨーグルトの日」

2025/11/17 09:00

週刊BCN 2025年11月17日vol.2082掲載

生きたまま大腸に届く乳酸菌

 ヨーロッパ東部の黒海とカスピ海に囲まれたコーカサス地方にあるジョージアは世界屈指の長寿地域だ。その一因となっているのはヨーグルトを毎日食べる習慣が根付いているからだとされている。長寿に関する食文化研究を専門とする家森幸男博士は、1986年にジョージアを訪問した際、同地域で食べられていたヨーグルトを国内に持ち帰り成分を分析。フジッコなどと協力し、「カスピ海ヨーグルト」として国内での普及を図った。

 カスピ海ヨーグルトは「クレモリス菌FC株」という乳酸菌でつくられている点が特徴。クレモリス菌FC株は独特の粘り気がある成分「EPS」を分泌する。これによりヨーグルト全体にとろりとした食感を生むことに加え、善玉菌であるクレモリス菌FC株を生きたまま大腸に届けることが可能になり、腸内環境の改善に貢献する。

 カスピ海ヨーグルトは粉末種菌が販売されている。牛乳と混ぜるだけで手軽に自宅でも作成可能だ。できあがったヨーグルトを再度牛乳に混ぜて毎日食べる分を繰り返しつくることもできる。ただし、容器の殺菌が十分ではなかったり、温度管理を怠ったりすると、クレモリス菌FC株が弱り、雑菌が繁殖して食中毒にもなりかねないため、注意が必要だ。(石)
 


由来
ジョージア地域で食べられていたヨーグルトの日本での普及に取り組んだ京都大学名誉教授の家森幸男博士と、それを「カスピ海ヨーグルト」として商品化したフジッコが制定した。
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