地理空間データを扱うジオテクノロジーズは、事業の一つである人流データを大学などの研究機関に提供しています。同社が開催したセミナーで東京大学空間情報科学研究センターの関本義秀・センター長/教授が講演し、整備に取り組んできた仮想的なデータ「疑似人流」を紹介していました。
携帯電話事業者が位置情報を基に提供する人流のデータは高品質な一方で、一般的にはまだ値段が高く、個人情報保護の観点もあり個人の属性情報を取り扱いにくいそうです。関本センター長らは自治体が鉄道整備などを目的に人の移動を調べてきた「パーソントリップ調査」に注目。国勢調査といったオープンな統計情報などと合わせ、全国の人流を再現しています。
地震など大規模災害や感染症の流行時などは特に、人流が可視化できれば混乱や被害の拡大を防ぐことにつながります。店舗への集客や広告の最適化といったビジネスへの活用のポテンシャルも高いと言えます。さまざまな工夫で使いやすいデータが増えれば、今後、市場の拡大が見込める領域であるように感じています。
(下澤 悠)
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ジオテクノロジーズ、人流分析「社会インフラとして高い価値」 セミナー開催、仮想の人流データ活用を紹介
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