「宇宙の会計」はどうなる?
高市政権は国の予算について、単年度での管理をベースとした手法から、複数年度の財政出動をコミットする仕組みへと転換する方針を示している。事業に応じて複数年にわたる予算の枠組みを設定することで、民間が投資しやすい環境の構築につながるとされている。
予算やそれを含む会計全体を1年間で考えることは、官公庁や自治体、企業においても一般的だが、なぜそう決まっているかを考えることはほとんどない。本書は会計のルールについて掘り下げながら、会計の本質的な意義や、社会・経済に与える影響を解説する。
例えば、会計年度が1年間なのは、人間の生活が1年を基軸にしているからであるが、これは地球の公転周期を基にしているためだ。しかし、火星では地球時間の687日が1年間にあたるという。では、火星と地球でビジネスする場合、会計期間はどうあるべきだろうか。今は思考実験の域を出ないが、技術の進歩によって宇宙進出が加速すれば、現実味を帯びた課題となるかもしれない。
宇宙における会計制度のあり方を探りつつ、地球の会計についての理解を深めていく。ビジネスで財務書類を目にする人はもちろん、若いビジネスパーソン、これから社会に出る学生にもお勧めしたい。(無)
『火星の決算日はいつになる? 地球人のための会計入門』
山口不二夫 著
東洋経済新報社 刊 1870 円(税込)