店頭市場ピックアップ

申告ソフトの販売動向

2003/11/17 16:51

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

弥生の進出で“老舗”が陥落

青色申告は激戦の様相へ

 個人事業主や中小企業が青色申告や確定申告の際に使う「申告ソフトウェア」の市場は、昨年12月に会計・給与など業務ソフトで高いシェアを持つ弥生の参入で一変した。昨年まで、首位争いを演じていた青色申告ソフトの“老舗”ベンダーであるジェイシーエヌランド(JCNランド)やソリマチが今年は、販売本数シェアで2、3位以下に甘んじる場面が増えている。

 最近5週間では、販売本数で10月20-26日と10月6-12日の各週にJCNランドが一時トップに立った以外、すべて弥生が30%前後のシェアで首位を確保した。直近の11月3-9日の週では、前年同週比でJCNランドが販売本数ベースで20%減、ソリマチは45%減といずれも大幅な前年割れを起こしている。弥生は、昨年12月に発売した「やよいの青色申告」で今年7月までに1万5000件の新規顧客を獲得している。「先行した他社の製品を研究して完成度を高めた」(弥生関係者)と、後発の優位性と知名度を生かした形だ。

 昨年末は、JCNランドの「やるぞ!青色申告」と「やるぞ!確定申告」をバンドルさせ6000円弱の低価格で販売する戦略が奏功し、大幅に販売本数を伸ばした。だが、この現象に呼応して、弥生以外のソリマチなど各社も低価格路線を進み、競争が激化している。今年末も、相次ぎ各社から新バージョンが発表され、11月下旬-12月上旬にかけて順次店頭に新製品が並ぶ。ソリマチは、新消費税に対応した「みんなの青色申告5」をリリース。「無償バージョンアップ」と確定申告ソフトの「無償ダウンロード」のサービスを付加して巻き返しを狙う。上位3社以外にもパソコン量販店で店頭デモを積極的に行うアイピーオーの「爆笑!青色申告」や、8ステップ操作で申告書類作成が完了するグレックスの「おたすけ!青色申告」も上位を狙っている。
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