「Jabra(ジャブラ)」ブランドでBluetoothヘッドセットを展開するデンマークのGNネットコム(モアン・エルスバーグCEO)は、日本市場で個人・法人向け事業の大幅なシェア拡大を目指している。6月から日本法人のGNネットコムジャパン(安藤靖社長)の営業体制を強化するなどの施策で、2012年をめどに個人向け市場で約20%、法人向け市場では50%以上のシェア獲得を目標に掲げる。現状では、米国や欧州と比べると規模が小さい日本のヘッドセット市場だが、ポテンシャルが大きいとにらんで拡販を本格化する。

有力SIerとの連携で企業にアプローチ

モアン・エルスバーグCEO
 GNネットコムのエルスバーグCEOは、6月下旬に来日。これまで同社にとって主要マーケットではなかった日本市場だが、今後は重視していく方針を明らかにした。同社がヘッドセットの導入率が低いとみているコンタクトセンター&オフィス(CC&O)のエンタープライズ(法人向け)分野でのビジネスチャンスに期待を寄せている。事業拡大に向けた第一歩として、6月には日本の営業スタッフの追加採用に着手。強力な体制で営業活動を加速化させる構えだ。

 エルスバーグCEOは、「CC&Oにハンズフリーで電話対応などができるヘッドセットを導入すれば、作業の効率が向上するとともに、コスト削減を図ることができる」と、導入のメリットをアピールする。

 競合メーカーとの差異化を図るための武器も明確だ。「デンマークならではの上品かつシンプルなデザインと、当社独自の高い技術にほかならない」(エルスバーグCEO)と鼻息は荒い。

 しかし、日本ではこれまで何度も大きな壁にぶつかってきた。「日本の企業はアメリカやヨーロッパほどヘッドセットの使用に慣れておらず、導入への抵抗感が強い」(エルスバーグCEO)と課題を痛感。そこで今回は、二つの戦略をとる。

 一つは、ウェブ上でヘッドセット導入によるコスト削減の具体的な数字が計算できる「ROI(Return of Investment=投資利益率)計算機」を提供すること。これで、企業を合理的に説得する。もう一つは、幅広い業種の企業とパイプをもつ有力SIer約30社と連携し、SIer経由で企業にアプローチすることだ。普段からターゲット企業と接しているSIerとアライアンスを組むことで、拡販を狙う。

 また、法人向け事業の展開と同時に、Bluetoothヘッドセットのコンシューマ事業にも力を注ぐ方針だ。昨年から、国内ディストリビュータをソフトバンクBBの1社に絞ったことで、市場では「Jabra」は高級ブランドとして認知されつつある。今後は、高級品を求めるコアユーザーだけでなく、幅広いユーザー層の獲得に向けて、ラインアップを拡大していく計画だ。

 コンシューマ事業の拡大によって、個人ユーザーを介して、オフィスでのヘッドセットの普及を狙うという。「ヘッドセットのメリットを体感した個人ユーザー兼会社員を増やすことで、ヘッドセットをオフィスに導入しやすい基盤を築いていきたい」(エルスバーグCEO)と、個人向け事業と法人向け事業の相乗効果に期待している。(ゼンフ ミシャ)