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ICレコーダーが好調 リニアPCMレコーダーがけん引

2010/08/26 16:51

週刊BCN 2010年08月23日vol.1346掲載

 ICレコーダー市場が活況を呈している。BCNランキングでの販売台数・金額の前年同月比は、2010年1月以降、6か月連続で前年を上回った。CD並みの高音質で録音できるリニアPCMレコーダーが、好調を引っ張っている。

 6月のICレコーダー市場は、前年同月比で販売台数113.1%、販売金額では105.1%だった。ICレコーダー全体に占めるリニアPCMレコーダーの割合は29.1%。大手家電量販店のなかには専用売り場を設けているところもあり、一つの製品ジャンルとして確立している。

 リニアPCMレコーダーは、06年のローランド「R-09」を皮切りに、急速に普及してきた。MP3やWMAなど、一般的な録音形式のICレコーダーと比べると高価だが、最近では手頃な価格の製品も出てきて、市場規模の拡大を促進している。税別の平均単価は、この3年で1万4700円も下落。これが台数の伸びの要因となって、前年実績を大きく上回る結果となった。ただし、10年1月以降の平均単価は1万5000円前後で推移しており、価格は下げ止まりの傾向にある。

 会議や語学など、幅広いシーンで活躍するICレコーダーは、すでに生活に溶け込んでいるデジタル製品だ。高音質のリニアPCMレコーダーは、製品の拡充によって、楽器演奏のほか、鳥のさえずりなどの自然の音や列車の走行音を録る「生録」にも気軽に挑戦できるようになっている。今後、“音を録って楽しむ”文化を業界全体でどのように醸成していくのか。その取り組みが、さらなるリニアPCMレコーダーの普及を左右しそうだ。

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