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二台目需要で活気づく小型テレビ 低価格化でシャープが急伸

2010/10/07 16:51

週刊BCN 2010年10月04日vol.1352掲載

 液晶とプラズマを合わせた薄型テレビ市場は、エコポイント制度が追い風となって市場の拡大が続いている。4月スタートの新基準適用に伴い、その直前の3月には駆け込み特需が発生した。4月以降は爆発的な伸びは影をひそめたが、夏場を迎えて需要は一気に増大。7月の台数は前年同月比約150%、8月は160%を超え、驚異的な成長が続いている。

 サイズ別の台数構成比をみると8月は、「30~40V型未満」が41.0%。以下、「40~50V型未満」が24.4%、「20~30V型未満」が22.0%、20型未満は11.0%前後となっている。

 ボリュームゾーンは「30~40V型未満」だが、20V型未満の成長が見逃せない。例年、20V型未満の小型テレビは、新入学や社会人の異動が重なる春の商戦期に需要が一時的に高まる傾向を示してきた。しかし、今年8月は前年比ほぼ倍増の198.6%と、ほかのサイズを上回る高い伸びを示し、二台目、3台目の買い替え需要を喚起している。

 20V型未満のメーカー別台数台数シェアで8月に大きく伸長したのはシャープ。5月まではわずか1%前後で推移してきたが6月には前月比11.1ポイント上昇し、12.3%を獲得した。その後、7月は33.9%、8月には50.2%を確保した。

 シャープの急伸には、急激な単価下落が影響している。平均単価は、各社とも毎月数千円程度で上下しているが、シャープは、6月時点で4万100円だった税別平均単価が、8月には3万2800円となり、わずか2か月で1万円弱も値を下げた。パナソニックの4万200円、東芝の3万6900円と比較すると、シャープの単価が最も低いことがわかる。

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