これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ヘンリー・逆瀬川光人代表取締役」を取材しました。
自分がやりたいこと
生まれは裕福な家庭とは言えず、高校生までは生きるために目の前のことに必死だった。社会に興味を持ったのは、大学の授業がきっかけだ。社会学などを学ぶうちに、徐々に世の中に横たわる多くの問題に意識が向き、自分でも何かできないかと、在学中にはフェアトレードを推進するサークルの代表を務めた。
大学時代は起業したいとは考えていなかった。しかし卒業後、会社員として働き始めると、周囲に起業する人が多く刺激を受けた。「社会の課題を解決してより良い世界をつくりたい」という思いが大きくなり、自身のビジョンに向かって自由に動くため起業した。
持続可能な事業設計
根底にあるのは社会課題の解決だ。そのためには元手となる資金を稼ぎ続ける必要があると考えていた。「志が高くても、お金がなければ持続できない」。課題解決と稼ぐ力の両立を目指して最初に選んだのが医療DXだ。
ヘンリーが提供するのは、業界でいち早く手掛けたクラウドネイティブなレセプトコンピューター・電子カルテ一体型のシステム。少子高齢化や人口の一極集中で地方の医療体制の維持が危ぶまれる中、従来のオンプレミス型に比べて低コストで導入できる利点や、診療報酬の取りこぼしを防ぐ仕組みなどを生かし、業務・収益改善に取り組む。
テクノロジーで矛盾を解消
今後のマイルストーンは、国が掲げる2030年の「電子カルテ普及率100%」の実現だ。電子カルテを導入していないクリニックや病院などに、迅速かつ拡張性のあるクラウド型のインフラを普及させることを急務とする。
将来的には、整備したインフラを通じて診療所や介護施設などと連携し、地域全体で住民の健康を支える「地域包括ケア」プラットフォームの構築も計画する。「インフラは人が豊かな生活を送るためのものなのに、持続するために誰かに負担を強いている」。この矛盾をテクノロジーで解消することを目指している。
プロフィール
逆瀬川 光人
一橋大学法学部法律学科卒業。楽天でUI/UXやPMを5年、ウォンテッドリーで新規事業のBizDevの責任者を3年務め、2018年5月に大学の友人とともに「社会課題の解決」を目指してヘンリーを創業。
会社紹介
中間ミッションとして「ノーベル平和賞受賞」を掲げ、現在は主に医療DX事業を展開。クラウドネイティブなレセコン・電子カルテ一体型のシステムを提供する。BPOも手掛け、医療現場の人手不足対策を支援している。