これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「SUPWAT・横山卓矢代表取締役CEO」を取材しました。
試行錯誤を効率化
鳥が衝突しても耐えうる、航空機の回転翼の材料や形状は何かー。これが大学院時代の機械工学の研究内容だった。試験や解析を繰り返して突き詰めるものの、「もっと効率化できないか」という葛藤があった。社会人になり、扱うテーマは変わっても、試行錯誤の現場を見て、同じような思いを抱いた。
ちょうどディープラーニングが注目されていた頃のことだ。課題に感じていた試行錯誤の過程に、AI・機械学習を組み合わせれば、「新しいものづくりを定義できる」と感じ、起業へと踏み出した。
工場から人をなくす
「人間が考えたことを具現化するのが製造現場」。だからこそ、人は創造的な領域に集中すべきだと考える。創業時から一貫する事業領域は、製造業のエンジニアリングチェーン。製品・部品の企画、設計、開発といったものづくりの上流工程にあたる。さらに「工場から人をなくしたい」とも考え、後工程であるサプライチェーンにも事業の幅を広げようと構想している。
起業への思いや業界特化で製品をつくるヒントは、すべて現場に足を運び生まれた。会社が大きくなっても「現場第一主義」を貫く。
自然体で向き合う
顧客企業は年商100億円以上の大手も多い。年長者を相手にしても、持ち前の落ち着いた雰囲気を崩さず、自然体で向き合う。仕事のために特定のキャラクターを演じることはないが、本心では「かわいがられたい」と、少し照れたように語る。
「半年前くらいからマイブーム」なのは、ラジオ配信サービスで地元・北海道のFM放送を聞くこと。自宅では常に流している。「東京のFM放送では分からない情報も多いが、20年以上過ごした北海道のラジオは親近感がわく」と相好を崩した。
プロフィール
横山卓矢
1992年生まれ、北海道出身。東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻修士課程修了。JXTGエネルギー(現ENEOS)で潤滑油の技術営業や開発業務に従事。メルカリに転職し、二次元コード決済サービスの加盟店を開拓した。2019年にSUPWATを創業。
会社紹介
社内データに生成AIを組み合わせ、製造業における研究開発や設計を最適化するプラットフォーム「WALL」を開発。サプライチェーンエンジニアリングに伴走するコンサルティングも提供する。