NTTドコモ（中村維夫社長）は、2006年度（07年3月期）第3四半期までの9か月通算連結業績を発表した。売上高は3兆5970億円（前年同期比0.4％増）であったものの、営業利益は6769億円（2.4％減）、税引前利益が6807億円（16.1％減）、最終利益が4036億円（21.8％減）と減益になった。

　昨年10月24日からスタートした携帯電話番号ポータビリティ（MNP）で加入者数が減少に転じたことが大きな原因。業績回復には、今年2月から始まる春商戦で、いかに加入者数を増やせるかがカギになる。

　第2世代携帯電話「mova」の加入者数は、第3四半期末の時点で2010万人となり、05年度末の契約者数（2768万人）と比べて758万人減となった。中村社長は、「MNPで当社にポートイン（転入）したのは全体の2割程度。KDDIが6割を占めて独り勝ちだった」としている。同社から他社へのポートアウト（転出）は全体の4割。そのため、05年度通期で48.4％を占めていた純増シェアは、06年度9か月累計で34.0％まで下がった。しかし、「ポートアウトは想定の範囲内。MNPは、長丁場の競争だとみている。新入学・新入社員を対象とした春商戦次第で、どれだけ加入者数が増えるかに期待したい」という。

　ARPU（契約者1人あたりの月間売上高）については、昨年12月末の時点で6670円と、前年同期比3.6％減だった。年度末となる3月末の時点でも、同程度で推移するとみている。「ARPUを増やすには、どれだけパケットの利用率を上げられるかにかかってくる。しかし、これは来年度の戦略」としている。当面は、加入者数を増やすことが課題といえそうだ。