ディストリビュータ　曇り

製品選定や新サービス提供へ　既存のビジネスモデルに終止符

　世界景気の悪化により、法人市場でのIT投資意欲が減退するとの見方が強いなか、製品卸のディストリビュータにとっては厳しい状況が予想される。しかし、こうした状況だからこそ良い製品の選定や新サービスの提供がカギを握ると判断しているようだ。

　丸紅インフォテックでは、コンシューマ向け市場で順調な伸びをみせたUMPC（ミニPC）が「法人でもニーズが高まる」（天野貞夫社長）と、法人営業部門内にUMPC特化の専門チームを立ち上げた。ソフトバンクBBでは、パソコン用データカード、携帯電話と固定電話を組み合わせたビジネスで、「情報と通信の双方でリプレースできる」（溝口泰雄・取締役常務）と自信をみせる。

　各社とも、単に“製品を流す”といったビジネスモデルに終止符を打とうとしている。メーカーとリセラー、ユーザー企業など、さまざまな声を収集できるポジションを生かしてビジネス拡大を図る方針だ。新しいビジネスモデルを構築したベンダーが生き残るといえそうだ。（佐相彰彦●取材／文）