オフィスの開設や移転で、不可欠なのがネットワークインフラの構築だ。ユーザー企業の多くは、オフィス内を有線LANで整備するケースが多い。こうした状況に風穴をあけるべく、無線LANスイッチ専業メーカーのメルー・ネットワークスは、自社製品を浸透させようと懸命だ。とくにSMB(中堅・中小企業)を中心にオフィス内の“オール無線LAN化”をアピールしている。
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米本社の デイブ・ケリー・ バイスプレジデント |
メルーは、「シングル・チャネル」と呼ばれる他社と異なるアクセス技術をもっている。この技術は、1台のアクセスポイントで“電球の光”のようにアクセス範囲を網羅するというもの。ノートPCなど、クライアント端末ごとに均等な接続を保証する。これまでは、「マイクロセル・チャネル」と呼ばれる多くのアクセスポイントを設置することでアクセス範囲をカバーする方式がメインだったが、オフィス内でつながらない場所があったり、同一チャネルによる干渉などという問題が発生していた。その点、同社の製品は特定チャネルの電波を細かく制御することが可能という利点がある。
米メルー・ネットワークスでインターナショナル・セールス担当バイスプレジデントを務めるデイブ・ケリー氏は、「当社の製品を使えば、オフィス内でアクセスできない場所がなくなる。しかも、複数のアクセスポイントを、あたかも1台のアクセスポイントのようにみせる機能でトラフィックの最適化を図ることができ、いわば“無線LANの仮想化”を実現している」とアピールする。
無線LANの課題を解決しており、同社は「オフィス内のオール無線LAN環境を構築することができる」と自信をみせる。大学のキャンパス内を無線LAN環境に整備するという大型案件を獲得していくことに加え、「新規顧客を開拓できる市場として、SMBに需要が眠っている」とみている。SMBがオフィスの移転などでネットワークインフラを構築しなければならない状況になった機会を捉えて提案していくという。無線LANであれば、オフィス内の配置替えが自由にできるので、「トータル的にはコストが安いことを訴えていく」という。
これまで「会議室だけ」といったように、部分的に無線LANを構築する企業は少なくなかった。「社内をすべて無線LAN環境に整備する」ことをキャッチフレーズに、コスト削減につながることを訴えながら需要が眠るSMB市場を開拓していけば、頭打ちのネットワークインフラ構築ビジネスに再び商機が到来する可能性がある。(佐相彰彦)