その他
セキュリティの主要メーカー クラウドビジネスにテコ入れ 専門組織発足で協業を進める
2011/04/14 14:53
週刊BCN 2011年04月11日vol.1378掲載
セキュリティメーカー各社が、クラウド戦略を推進するためにクラウド専門部隊を新設している。これから先、データセンターのセキュリティ需要はより高まってくることが予測される。クラウドビジネスを展開するうえで、セキュリティが重要な課題となっているからだ。セキュリティメーカーは、こうした動きをビジネスチャンスと捉えて力を入れている。
主要セキュリティメーカーでは、専門部署を立ち上げて、クラウドビジネス推進を強化している。
シマンテックは、2010年6月に通信事業者やクラウドサービス事業者向けの専門営業組織を発足した。クラウドサービスを展開しているITベンダーや通信事業者との協業を強化することで「エコシステム」の構築を目指す。
シマンテックは、自社のソフトウェア製品を提供するだけでなく、SaaS型セキュリティサービス「シマンテックドットクラウド」をクラウドサービス事業者が転売できるようにするために、SaaS提供に力を入れている。まだSaaS化していないバックアップソフトなどの製品群も、SaaS化を推進することでエンドユーザーがオンプレミスでもクラウドでも同様の製品が導入できるように選択肢を広げることを目的としており、引き続きクラウドを重要な柱として伸ばしていくという。
トレンドマイクロは、今年、「クラウドセキュリティNo.1」の地位を目指す。そのための施策として、クラウドのインフラからアプリケーションまで、包括的に防御するソリューション、サービスを通信事業者やクラウドサービス事業者に対して提供しようとしている。
トレンドマイクロは、これらの事業者との協業関係を強化するために、今年1月1日付で「テレコム&クラウド営業部」と「テレコム&クラウドSEチーム」の2部署を設置した。現在、30人の同部署が中核となり、クラウドビジネスを推進している。
クラウドサービスを柔軟に提供する環境も整える。大三川彰彦取締役は、「トレンドマイクロのデータセンターを通じて、(1)クラウドサービス事業者がエンドユーザーにサービスを提供する(2)OEMとして事業者のブランドでサービスを提供する形態(3)DC事業者が製品を導入してサービスで提供するという三つの形態に対応する」と話す。
クラウドサービスやSaaSを提供している企業では、セキュリティ製品担当とは別の部門が担当しているケースがあることから、新しい部門との関係を強化するのが狙いだ。
他のセキュリティメーカーも、キャリアグレードの製品を投入したり、ハイタッチを強化したりするなど、着々とアプローチを進めている。競合同士の事業者の囲い込み、市場のパイ取り合戦が激化している。
クラウドサービス、データセンターの重要性が高まるなかで、セキュリティは必須の課題。それだけに、メーカーにとって大きなチャンスとなる。(鍋島蓉子)
セキュリティメーカー各社が、クラウド戦略を推進するためにクラウド専門部隊を新設している。これから先、データセンターのセキュリティ需要はより高まってくることが予測される。クラウドビジネスを展開するうえで、セキュリティが重要な課題となっているからだ。セキュリティメーカーは、こうした動きをビジネスチャンスと捉えて力を入れている。
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