橋本佳奈さんは、日立グループのシステムインテグレータ(SIer)であるニッセイコムで、大学向け営業に携わっている。もともと同社の関西支社で自治体向けのセールスを担当していたが、すぐれた実績が評価され、2012年4月、東京転勤になった。明るい性格と、お酒に強いことを仕事に生かして、現在は本社で若手トップ営業として活躍している。(構成/ゼンフ ミシャ 写真/大星直輝)
[語る人]
●profile..........橋本 佳奈(はしもと かな)
兵庫県出身。2009年4月、ニッセイコムに入社。関西支社で施設予約システム「NC施設くん」を中心に自治体の新規顧客を開拓する営業に従事。12年4月、本社と関西支社を横断する公共事業本部の発足を機に、東京へ異動。国公立大学・私立大学などを対象に、独立行政法人向け財務パッケージ「GrowOne財務会計」を活用するソリューションの営業を担当している。
●会社概要.......... 日立グループのシステムインテグレータ。ERPパッケージ「GrowOne Cube」などを展開している。2011年度の売上高は197億円。従業員は848人。東京・大井に本社を置く。
●所属..........公共情報事業本部
営業第一部
学術情報ソリューショングループ
●営業実績.......... 入社1年目の秋に、地方自治体運営の福祉センターから施設予約システム「NC施設くん」を新規受注。2年目以降も、地域内総合施設管理システムなど、多くの大型・新規案件の受注実績を積み重ねている。
●仕事.......... 関東甲信越の国公立大学・私立大学・独立行政法人に対して、財務会計パッケージ「GrowOne 財務会計」を提案している。大学を訪問し、情報システム系や財務系など、各部門の担当者に自社ソリューションをアピールする。大学生の頃にアルバイトでイベントスタッフを務めたこともあって、異なる意見を調整する力を生かし、案件の受注につなげている。
東京で新しい仕事に挑戦
大阪の中華料理店で開いてもらった華やかな送別会は今も忘れない。所属している部署の約30人のメンバーが集まって、上司がわざわざつくってくれた記念ビデオが流されたり、営業の人も技術の人も私の東京転勤を温かく祝ってくれた。お客様からも励ましの言葉でいっぱいの手紙をたくさんいただいたのがすごくうれしかった。そうしてかわいがってもらった私が、昨年の4月から、東京で新しい生活を始めた。
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本社への異動をきっかけに、仕事ががらりと変わった。関西では自治体をお客様として施設予約システムなどの営業に携わったが、東京では、大学に向けて財務会計システムを提案することを担当させてもらった。活動領域は関東甲信越なので、東京に来てすぐに、週一回のペースで地方出張を繰り返すようになった。大雪が降り積もった冬の厳寒期に新潟県の大学を訪問し、地元の自慢話などをうかがいながらお客様からあらゆるニーズを聞き出したり……。生来の明るさを強みにして、初めてのお客様でもすぐに仲良くなって、信頼関係を築いた。
私はいつもネアカな感じで仕事をしているので、お客様や先輩にはそう見えないかもしれないが、最初はいろいろ苦労もした。新しい商材の知識を身につけることは大変だったし、知り合いの社員が少ない本社で自分の居場所を見つけることも簡単ではなかった。今の部署は私以外に女性の営業がいないので、周囲の人からかわいがられるのが大きな助けになったけれども。かわいがられているといっても、会社の飲み会では最初から熱燗を注文することも多く、お酒には強いという自信をもっている。
本社に来てから1年ほどが経ち、新しい環境にだいぶ慣れることができた。東京の生活も楽しい。そば屋さんの前を通ったら、「あっ、大阪とにおいが違う」というように、うどん文化の関西との違いに気づくこともときどきある。でも、全体的には生活はそれほど大阪と変わらへんと思う。お気づきの通り、関西弁はまだちょっと残っているが……。
私は営業の仕事のなかでも、お客様を訪問して話をするのが一番好きだ。神戸の大学に在学したときに接客のアルバイトをしていたこともあって、人に接することを得意としている。日ごろの仕事でとくに重視するのはスピードだ。メールにはすぐに返信するようにしているので、社内でも「橋本はレスポンスが速い」という評価をいただいている。