DTSは、2007年の上海法人に続き、2011年に米ニューヨーク法人を設立。今年3月をめどにタイ・バンコク法人の立ち上げを決めた。この先10年で海外関連の売上高を100億円規模に拡大させていくことをイメージしており、海外拠点の拡充は夢の実現に向けた橋頭堡という位置づけだ。

　現行の3拠点のうち、北米については、日系金融機関向けのビジネスが進行中で、上海でのビジネスについては「主に現地製造業の顧客や、日系金融業向けの開発案件が順調に拡大している」（西田公一社長）と、昨年9月以降の日中政治摩擦の影響は顕在化していない模様だ。ASEAN地区でも顧客からの引き合いが強まっていることからバンコク法人の設立に踏み切る。ベトナムには拠点は置いていないが、地場パートナーと連携して住宅設計図面制作のアウトソーシングサービスを昨年6月から始めている。

　「100億円の達成には、拠点展開と同時にグローバル人材の育成も欠かせない」と判断して、インドやタイ、中国・大連に社員を研修生として派遣。グローバル市場で通用する人材や商材開発に力を入れる。商材開発では、年間10億円ほどの戦略投資枠を設け、次世代の成長を担う投資に活用している。西田社長は「これまではソフト開発などの生産性を高めるツール類などの開発投資が比較的多かったが、今後はより大型の商材開発や、場合によってはM＆Aなども手がけていきたい」と、グローバル市場を視野に入れた投資拡大に強い意欲を示している。（安藤章司）