NECキャピタルソリューション(安中正弘社長)は、10月22日、モバイルデバイスのセキュリティをテーマに、最新の動向を解説するセミナーを東京都内で開いた。参加したのは、エンドユーザーや販社などおよそ120人。NECキャピタルソリューションは、モバイルセキュリティソリューションに対する基本的な考え方や、扱う商材の概略を説明したほか、ソリューションパートナーが個別のソリューションをPRするなど、幅広い情報を発信した。(取材・文/本多和幸)
デバイスのカテゴリで必要なセキュリティが決まる

アイ・ティ・アール
舘野真人
シニアアナリスト 基調講演は、アイ・ティ・アールの舘野真人シニアアナリストが務め、「ビジネス市場におけるモバイル(スマートデバイス)セキュリティの現状」を解説した。舘野シニアアナリストは、まず、「スマートデバイスの人気は拡大している。実際に普及するのがiPadかAndroid端末かはさておき、企業のクラアント端末の主流を成していくのは間違いない」と強調。そのうえで、「用途が非常に幅広いのがタブレット端末の特徴。財務会計や人事・給与など基幹業務システムをタブレット端末で操作する会社もある。メールやスケジュール管理ができればいいというものではなくなってきている」と話し、情報システム部門やシステム管理者が、リスク対策などを万全にして、業務の現場を強力に支援すべきとの考えを示した。
具体的なセキュリティ確保の取り組みについては、「スマートフォンとタブレット端末では、リスク対策の優先順位に違いが出る。タブレット端末は、アプリケーションやデータコンテンツをどう安全に使うかに力点を置いて考えていく必要がある。これからは、多くの台数、マルチデバイスをいかに適切に管理するかが問われる時代になる」と、ポイントを指摘した。

PCメーカー5社のモバイルデバイスを展示

NEC
キャピタル
ソリューション
荒谷茂伸
シニアディレクター NECキャピタルソリューションの主催者講演では、ICTアセットソリューション部の荒谷茂伸シニアディレクターが登壇し、「モバイルセキュリティソリューションの必要性と実装方法」をテーマにプレゼンを行った。荒谷シニアディレクターは、同社が扱うモバイルセキュリティソリューションについて、「自社で開発したソフトを提供するのではなく、必要性の高いソリューションをマネージド・サービス化して、エンドユーザーが利用しやすいかたちで提供する」と、基本的なコンセプトを説明。さらに、「モバイルセキュリティを考える際は、モバイルデバイスのカテゴリ分けが重要。それで必要なセキュリティが決まる」とも話し、同社がそうしたニーズに応える商材を揃えていることもアピールした。
続いて、NECキャピタルソリューションのパートナーであるソリトンシステムズ、アルプスシステムインテグレーション、ウェブルート、ウインマジック・ジャパン、ワンビの5社が、それぞれ「BYOD」「クラウド型MDM・URLフィルタリング」「クラウド型マルウェア対策」「暗号化」「リモートワイプ」をテーマとして、自社のソリューションを紹介した。
さらに、テクニカルセッションでは関連の最新技術動向も解説。インテルが「最新のモバイル・デバイスが提供するハードウェア支援型の強固なセキュリティ」、日本マイクロソフトが「マイクロソフト社内運用に見るモバイルセキュリティ」をテーマに講演した。
また、会場内には展示コーナーが設けられて、ASUS JAPAN、デル、NEC、パナソニック、レノボ・ジャパンのPCメーカー5社が、最新のモバイルデバイスを紹介した。講演の合間に参加者がブースを訪れ、メーカー側の担当者と熱心に情報交換する姿もみられた。