産業見本市の企画・運営会社、リード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)主催のIT専門展示会「Japan IT Week 2014春」が5月14~16日の3日間にわたって東京ビッグサイトで開催される。業界で話題のテーマをもとに11種類の展示会を同時に開くことで、来場者となるメーカーやSIer、ユーザー企業が目的を明確にしてブースを訪れることができる。また、事前にアポイントを取って商談できるシステムが用意されているので、ビジネスチャンスをものにできるイベントでもある。多くのイベントが縮小傾向にあるなかにあって、年を追うごとに拡大しており、今回、出展企業数は前回の「Japan IT Week 2013春」と比べて10%程度多い1450社を見込んでいる。(取材・文/佐相彰彦)
話題のテーマを11種類の展示会で披露

島田周平
事務局長 「Japan IT Week」は、毎回、複数の展示会を同時に開催しているので、来場者が関心のあるブースを選んで訪れることができる。「2014春」では、話題のテーマをもとに、前回と同様、同時開催の展示会が11種類。今回で11回目を迎えて底堅い人気のある「情報セキュリティEXPO」をはじめ、ニーズが高まっている「データストレージEXPO」「クラウドコンピューティングEXPO」「スマートフォン&モバイルEXPO」などを用意している。島田周平事務局長は、「最近は、さまざまなテーマの関連性がさらに密になったので、来場者は1種類の展示会だけでなく、複数の展示会を訪れることによって、社内のシステムが抱える課題を解決することができるし、SIerであれば新しいソリューションの創造につなげることができる」と捉えている。例えば、今回17回目を迎える「組込みシステム開発技術展」や、RFID関連の製品・サービスなどを展示している「ワイヤレスM2M展」は、これまでソフト開発やFA(ファクトリーオートメーション)の関係者など、来場者が特定領域の担当者に片寄る傾向があったが、「スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスとクラウドの融合が進み、組込みシステムやネットワークが切っても切り離せないものになっている。クラウドの導入やサービスの創造に取り組むうえで、大いに役立つので、ぜひ訪れてほしい」と島田事務局長はアピールする。
また、前回初めて開催して好評を博した通販サイト関連の製品・サービスを披露する「通販ソリューション展」は、「ウェブを使ったサービスがますます伸びていることもあって、出展企業が増えている状況」という。

「Japan IT Week」の商談は実ビジネスにつながるケースが多い商談の場を求めて1450社が出展
「Japan IT Week 2014春」では、約1300社の出展だった前回よりも約10%を上回る1450社を見込んでいる。多くのイベントが縮小傾向を辿っている状況だが、島田事務局長は「私どものイベントの出展企業が増えているのは、最新の製品・サービスを披露する場という意味合いに加えて、ビジネスにつながることが要因」と分析する。ユーザー企業やSIerなど来場者が、自社の求める製品・サービスの説明を効率よく聞くことができるよう、このイベントで取り組んでいるのが「事前アポイントシステム」だ。これは、求める製品や現状の課題を、あらかじめ専用サイトで登録しておくと、出展企業が提案メールを送付、来場者が興味のある出展企業に返信してアポイントが完了するという仕組みだ。前回は、3150社以上が「事前アポイントシステム」を利用したそうだ。
また、実際にシステム導入プロジェクトに携わる担当者が専門セミナーに無償で参加し、会場に近いホテルに特別価格で宿泊できる「プロジェクト責任者ご優待」も、出展企業にとって魅力のある企画だ。その担当者に事前アポイントシステムに登録してもらい、リード エグジビション ジャパンが出展企業に紹介。「これによって、案件を獲得する可能性は高い」とのことだ。
基調講演やセミナーでは、すべての展示会でユーザー企業の導入事例が多くなっていることも今回の売りになっている。島田事務局長は、「漠然とイメージしていたサービスを具現化する機会が多くなり、さらに出展企業と来場者にとってメリットの高いイベントを用意した」と訴えている。