沖データ(OKIデータ、平本隆夫社長)は、5月30日、都内で開いた2013年度全国優秀パートナー表彰式で、2014年度の拡販施策をパートナーに説明した。2013年度第三四半期(2013年10~12月)の国内ビジネス向けプリンタ市場で、シェア10%を達成したことを踏まえ、通年でのシェア10%達成を目指して、販売パートナー網の強化・拡充を図る。(取材・文/本多和幸)
成長の余地が大きい「COREFIDO」

平本隆夫
社長 今回の2013年度全国優秀パートナー表彰式には、OKIデータのCMキャラクターを務める女優の菅野美穂さんが出席し、プレゼンターを務めた。菅野さんは5年前から同社のCMに出演しているが、コアなパートナーである26社だけを招いた比較的小規模なイベントに出席したケースは初めて。パートナービジネスの強化に注力する同社の姿勢がより鮮明に現れたといえそうだ。
開会にあたって平本社長は、2013年度(2014年3月期)に、グローバルで売上高1248億円(前年度比134億円増)、営業利益は51億円(前年度はマイナス)を達成したことを報告。また、国内市場でも、「2013年10~12月の第3四半期には、念願のシェア10%を達成した」とし、パートナーの協力に謝意を表した。

栗本清
取締役
国内営業本部長 さらに、2014年度は、グローバルで売上高1280億円、国内市場では通年でのシェア10%達成を目指すと宣言した。そのための新規施策として、8月から年末にかけて、全国縦断プロモーションを行うことを明らかにした。
2013年度は、OKIデータの主力である5年間無償保証のビジネス向けLEDプリンタ/複合機「COREFIDO」の発売から5年が経過し、初期のユーザーの無償保証期間が終了した。同社はユーザーに対するアンケートを行い、「5年間無償保証のサービスとサポート体制が圧倒的に選定理由として多く、これが成長をけん引したが、まだまだ成長の余地がある」(平本社長)と結論づけている。国内営業を統括する栗本清・取締役国内営業本部長は、「『COREFIDO』の発売と時を同じくして菅野さんを起用してCMを始めた効果もあって、ブランドの認知度は5年間で約40%から50%まで上がった。また、商品に対する理解も、10%から22%まで向上したが、まだ2割という見方もでき、成長の可能性を秘めている」と、その根拠を説明する。

表彰式では菅野美穂さんがプレゼンターを務めた全国縦断プロモーションで認知度を高める
同社は昨年、プロフェッショナル向け新ブランド「MICROLINE VINCI(マイクロライン・ビンチ)」のラインアップとして、A3ノビ対応カラープリンタ「C941dn」「C931dn」「C911dn」を発売した。また、「COREFIDO」にメンテナンス品5年間無償提供も付加した「COREFIDO2」シリーズの新商品として、A4カラーLED複合機「MC780dnf」「MC780dn」も世に出した。全国縦断プロモーションでは、キャラバンカーを使って、こうした新製品を含めた実機デモを行い、製品の魅力を幅広くPRするとともに、ディストリビュータとの協業で、パートナー向けの販売キャンペーンやイベント、エンドユーザー向けのイベントを網羅するかたちで展開する方針だ。
2013年度の時点で、OKIデータのリセラーは2307社、このうち、同社製品を定期販売しているリセラーは386社だが、こうしたイベントを通じて、「コアの定期販売リセラーを450社にまで増やしたい」(栗本取締役)という。さらに栗本取締役は、「中期的には500社を狙いたい。また、リセラー全体は3000社くらいが当面の目標。商品理解度が2割ということは、8割の新しいお客様にアプローチできるということで、ディストリビュータと連携し、これまでメーカーと直取引していたような販社を含め、新しいパートナーを積極的に発掘していく」と力を込める。
全国縦断プロモーションは、8月に北海道からスタートするが、10月の東北では、福島工場も製品PRの場として活用する。A3モノクロ機は中国・深セン市で製造していたが、最もニーズが高い国は日本なので、福島事業所に生産を移した。「コストは上がるが、スキルをもった人間がつくるので、短納期・高品質というそれを補って余りある付加価値がある。OKIの製品は体感してもらってなんぼというところがあるので、多くの販売店の皆さんにみてもらいたい」(栗本取締役)としている。